一方的に私が話す授業にならないよう意識しています。説明の途中で首をかしげているようであれば「大丈夫ですか?」と声を掛けてみたり、相づちが浅いようなら質問を受け付けてみたり…。中には質問を受け付けても手を挙げられない人もいるので、顔色で判断しフォローするようにアンテナを張っています。
あるとき、兼務することで2つの力が養われることに気付きました。ものづくりにおける技術力と、お客様に物事を説明したりプレゼンする力です。もちろん守秘義務を踏まえた上ですが、実際の業務で身に付けたノウハウを講師として何も知らない生徒さんに教えることで、どうすれば伝わるか、どうすれば説得力が増すかなどを考えるようになり、エンジニア業務の現場でも活かされています。
自分自身、IT未経験からスタートして記憶に残っているのは、専門用語を調べても、その説明の中にまた専門用語が出てきて、一つの疑問を解決するのにめちゃめちゃ時間と労力がかかること。でもそのうち、一つひとつ完璧に理解しなくても、要点がわかっていれば支障ない、ということに気付きました。だから、あえて細かく教えすぎないようにしています。たとえ曖昧な理解のままだったとしても、深入りさせず、まずは広く浅くITを楽しんでもらうように心がけています。
資格を取る方法だけではなく、現役のエンジニアとして培った経験をもとに、実際にどのような場面で資格を活かせるかまで伝えられることです。生徒さんの中には法人でスクールに申し込み、学んだことを仕事で活かしたいという方も多いため、「聞いておいてよかった!」と言ってもらえることもあります。講師という立場からどこかの技術現場で役に立てたかと思うと喜ばしいです。
最近はWebセミナーやeラーニングなどオンラインによる講義も普通になりましたが、対面にしてもオンラインにしても、「一人じゃない」というリアルタイムの良さがあります。私は決して、ただ説明するだけの授業にはしたくない。互いにコミュニケーションを取り合うことで、一人で学習する時の何倍もの内容を吸収できるはずです。
松本 恭輔(まつもと きょうすけ)
担当講座:CCNA、CCNP、LPIC1、LPIC2、LAMP、Java、VBA、PBL
実務実績:金融系イントラDBサーバー構築、社内コミュニケーションツール開発、人事労務サービス連携ツール開発等、サーバーの構築やWebアプリケーション開発経験多数あり。